※このエントリはアムウェイに勧誘されたら巡り巡って自己理解が深まったシリーズの後日談です。未読の方はまずその1からお読み下さい。

<その1>

ユカコさんからの怒濤の勧誘を受けた後、たかしとたかしを勧誘した藍ちゃん(仮名)と3人でお茶をすることに。「私はユカコさんのことを好きになれないし勧誘の仕方も失礼だと思ったよ、だからもう勧誘しないでね」と伝えた後、「ふたりはなんでアムウェイやってるの?」と聞いてみました。
s_amway71

 「ビジネスの勉強になる」という点は、私が聞いた限りでは「たいして中身なくない?そのへんのビジネス本読んだほうが役に立つのでは?」という印象でしたが、実際に勉強会へ行ったわけではないのでわかりません。

「友達や仲間ができる」という点は……「あぁ〜〜なるほどなぁ〜〜〜」と嘆息しました。

「社会に出てから友人ができるかどうか」って、環境によって大きく差が出ますよね。社員同士の仲がいいかどうか、同世代が多い職場かどうか、外部の人と知り合う機会が多い職種かどうか。それらが全て「NO」で、しかも地元や大学のある地域と違う地方に勤務することになった場合、孤独に苛まれやすい。その地域のバーやカフェやサークルにひとりで行って関係をつくっていける人ならいいけど、中々ね……。

そういうときに「楽しいコミュニティ」を餌に勧誘されると、「何かおかしいな」と思いつつも断れないんじゃないかな。「所属の欲求」「承認の欲求」が一気に得られるんだもんね。
   
s_amway72

本人が楽しければいい、という気もするんですが、こういうコミュニティの厄介なところは、抜け出した人を「努力が足りないダメな人」と烙印を押して貶めるところ。それを見たほかのメンバーは「自分はあんな風に扱われたくない」と従順になっていく、という歪んだコミュニケーションが生まれやすいんですよね。マルチに限らず。

 利害関係を含まない健やかなコミュニティが、外部の人も入りやすい形で地域にたくさんあるといいなぁ……としみじみ思いました。

 <その2>

一晩経って落ち着いたら、たかしのことが心配になってきました。ネットで検索すると友人や信用やお金を失った、という体験談が出てくる出てくる。これは友人として忠告したほうがいいのでは……?

思い悩んで私に「曇りなき眼で物事を見よ」とアドバイスしてくれた(※してない)お姉さんに相談したところ、こんなメールが返ってきました。
s_amway74

もう忘れちゃったけど、他人の状況を勝手に問題視して解決しようとするのは傲慢だ、という主旨の内容だったように記憶しています。これは結構ショックだったな。そして悩みました。

s_amway75

結局たかしに対して何かをする、ということはしなかったのですが、今になって振り返るとよくわかります。
s_amway76

当時の私は、10対1という状況の中で流されなかったこと、自分の心の中を冷静に見てエゴも承認欲求も素直に認めたこと、に対してちょっと天狗になっていたんだと思います。レベルアップした感というか。それで自分が気づいたことに気づいていないたかしを下に感じて、救い教える対象と捉えてしまったんですね。これを傲慢と言わずして何と言うのか。

いままで気づかなかった自分のエゴを見つけると、そのことによってまた新たなエゴが生まれるという罠。終わりなきスパイラル……!

 私がそんな自分の気持ちに気づかず「あなたのため」と言ってたかしを説得していたら、たぶんたかしは反発したんじゃないかと思います。どんなに言葉を飾っても、本心ってなんとなく伝わるものですよね。

ちなみにたかしとは今も友人です。仕事が忙しくなったのもあって、もうアムウェイはやっていないっぽい。あのとき余計なこと言わなくてよかったな。

なのでいまは、誰かにアドバイスしたくなったとき、本当に相手のためを思って言おうとしているのか、自分の考えや経験を肯定するために相手を利用しようとしているのか、気をつけるようにしています。人に悩みを相談してマウンティングされるって踏んだり蹴ったりだもんね。

s_amway78

 <その3>

それからだいぶ後のことなんですが、学生時代の友人アミちゃんから数年ぶりに「元気してる!? 久しぶりに会いたいな♡」とメールが来て飲むことになりました。

聞くとアミちゃん、会社を辞めて新たなビジネスを始める準備をしているそうです。
会社に雇われて搾取されつづけるのではなく、自分の力で稼ぎ夢を叶えたいそうです。
すばらしいメンターのような存在に恵まれ、サポートしてもらっているそうです。
「忙しい人だから難しいかもしれないけど、機会があればえみちゃんにも会わせてあげたい」のだそうです。

s_2
すさまじい既視感……!

当たり障りのない受け答えをしていると、「最近何か面白い本読んだ?」と聞かれたので、そのとき読んでいた本について熱く語りました。でも私の胸にはひとつの疑念が。これはアミちゃん自身が「最近読んだ本」を語りたいがための質問なんじゃないだろうか。「アミちゃんは最近どんな本読んだ?」って質問待ちなんじゃないか。よし、絶対聞かないぞ。

しかしアミちゃんは聞いてもいないのに、「そっかぁ〜!私が最近読んで感動したのはね……」と語り出したのです。


s_amway77

説明しましょう。『金持ち父さん貧乏父さん』といえばマルチのバイブル。勧誘のファーストステップとして使われることが多いアイテムなのです。アミちゃん、君もか。M大のキャッチコピーは「前へ」なんだけど、マルチにまで前のめりスピリット発揮しなくていいよ。

その日は本を薦められただけで勧誘はされなかったのですが、次会ったときに「あの本読んだ?」と聞かれました。読んでないよ。するとアミちゃん、

「もう〜そういうのだめだよ〜〜。ウチもメンターの人に言われたんだけど、人から薦められたものは自分の好みじゃなくてもまず試してみる。そしてすぐ行動する。そういう人が伸びるんだよ。今日だってえみちゃんが読んできたら私は“おっ”と思うじゃん?悪い気しないじゃん?幸運の女神には前髪しかないんだよ。すぐに掴まなくちゃ」。

……………。


s_amway67
ハイパーミラクルスーパーウルトラ知るかよ感


「私いま読みたい本はたくさんあるから、読む本は自分で決めるよ。それと別に“すごい人”なんて目指してないし、アミちゃんから“おっ”と思われなくてもいいよ」と言ったら、アミちゃんはそれ以上本を薦めることはしなかったし、勧誘もしてきませんでした。「こいつちょっとめんどくさいな」と思われたのでしょう。いいことです。

なお、ユカコさんのときと違って、アミちゃんには自分が思ったことをハッキリ伝えられたので、そんなに不愉快な気持ちにはなりませんでした。もちろんイラッとはしたけど、縁を切ろうとまでは思わず。相手がどんな対応をしても、自分がちゃんとそれに対して意見を言ったり怒ったりできれば、嫌いにならずに済むんだな。このとき以来しばらく会ってないけど、アミちゃんに対して悪感情は持っていません。元気にしているといいな。


<おまけ>
s_amway73
 
勧誘されたことがある人に言うと「そうそう!」と共感してもらえるんだけど、アムウェイDTがアムウェイについて語るときの瞳の輝きって半端なくないですか?

10代の頃にカルト宗教に勧誘されたときのも思ったんだけど、目力アップしたいならマスカラよりアイラインよりディファインより効果あるかもしれない。でも芸能人や趣味にのめり込んでいる人の輝きとはまたちょっと違うんだよなー。なんか恍惚感があるというか。いつか彼らの瞳を撮影して写真集出したいなぁ、なんて妄想しています。